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ドッグショーと審査会と
「コラムと私考」って、最近は全然、コラムでも私考でもないじゃーん
ということで、いいえ、そんなことはありません。ギャラリーで載せている画像とセリフは、私の私考です!妄想です。
それでは、今日は、コラムを書きます。

お問い合わせで、「品評会に出すつもりはないがそれでもよいか?」という御質問をいただきます。
おそらく、審査会に出して欲しいと書かれているPDのボクサー犬のサイトを御覧になられて、そう御質問されるのだと思いますが、当犬舎は通常のショーブリーダーと同様、家庭犬は家庭犬としてお譲りしております。
また、ショーをやりたいという方には、お求めの際に予め御相談いただいて、サポートさせていただいております。

どの犬種でもそうですが、生まれてくる犬でショー用とするのは極一部のみで、ほとんどの犬達は(ショーや繁殖に用いるのではない、家族の一員という飼育目的に限定した)ペット用として、各家庭に迎えられています。
この世の犬の大部分というのは、そういったペット用として飼育されている犬達で占められており、それらの犬達というのはシーンを支えている重要な一部ですし、それらの犬達が普通の犬達なのだといえます。
また、ショー用・ペット用の区別というのは、一概に優劣とかいうことなのではなく、同じスタンダードに基づいた繁殖によって生まれてきた犬達の中から、各個体が何に適しているかいうことであって、どういう観点で選別するかの違いだと御理解ください。
ショー用の犬というのはショーという観点でピックアップした犬ですし、ペット用の犬というのはショーや繁殖といった目的を除いた観点から選別した犬であって、ふるい落とした犬ということでもありません。


さて、ドッグショーについて説明しますが、ドッグショーというのは席次が付き勝ち負けがある以上、スポーツとされています。
以下は、JKCサイトより抜粋の、ドッグショーに関する説明の一部です。

ドッグショーは基本的には犬種の理想とされるスタンダードをもとに比較審査する「品評会」で、イギリスのクラフト展、アメリカのウェストミンスター展は今日の犬種の発展に大きな影響を与えていることは、世界中の愛犬家が認めているところです。
犬種のスタンダードは、長い年月をかけて”ブリーダー(繁殖家)”の手によって犬種それぞれの特徴・体形・性格・被毛・毛色など、その犬種の理想像(スタンダード)が作り出されました。ブリーダーはこのスタンダードを基本に考え、より理想の犬に自分の犬を近づけるために惜しみなく時間と労力をかけ、情熱を燃やしながら繁殖を繰り返し、ドッグショーをその成果を評価してもらう場として、犬質の向上を目指してきたのです。

従いまして、ドッグショーというのは、ドッグショーという観点で選別した犬を、評価を期待して出陳するものですので、私は繁殖犬をお譲りするにあたり、ショーをやりたい方でそれなりの努力もされる方に対しては、もちろんサポートしますが、どんな犬にもショーに出陳するよう勧めるようなことはしませんし、ショー用としてお譲りした場合を除き、出陳の制限もしています。これはショーブリーダーでは当たり前で通常のことです。


ところが、PDに登録されているヨーロッパ系ボクサー犬では、これまで人気がなかったことから、出陳数や登録数を増やそうという普及活動の意味合いも大きいと思いますが、活動している方の意図により、犬の質に関わらず、どんな犬でも審査会に出陳するよう勧める方も多いようです。

そのように勧めて出陳してもらえるのは、繁殖している者にとっては大変都合の良いことで、他人に譲った自分の繁殖犬の成長も見られますし、もし評価が得られれば良いですし、また多くの犬が一度に観られ、以前はかなり数の少なかった審査会も賑わうことになるわけですが、私が感じるのは、これはあくまでも繁殖する者にとって都合が良いだけであって、譲り受けた犬を家族の一員という目的で飼育している飼い主にとっては、1〜2万円という安くない出陳料を負担してまで出陳する意味はほとんどないでしょうし、別にそれ程有意義でもないと私は思うのです。
そういった理由から、質に関わらず出陳を勧めるのが当たり前ともいえるPDの審査会も、私は特に審査会には興味がなく家庭犬としてお求めになる方にはお勧めはしていません。

私がPDの審査会をお勧めしない理由は他にもあり、それは、とてもお勧めできるような内容ではないからというものです。
PDの審査会というのはドッグショーとはかなり異なるのですが、PDの最も大きな審査会である日本チャンピオン展を例をあげますと、審査中に「そんな犬持ってくんじゃねーよ」というヤジが耳に入ってきたという人の話もありましたし、日本警察犬協会ボクサー犬本部長で本部審査員というエライらしい審査員のコメントなんかも、「顔に布でも被せておけば良い犬なんだけどね」といわれたとか、「ばかに歯が出てる」といった品位に欠けるものだったりするわけで、2万も払って出陳してこんなでは、少なくとも私は、自分の繁殖犬をお譲りする方には、出陳はお勧め出来ません。
驚くのは、会場にいる人というのも、どこのエライ人なのだか知りませんが、面識もなく審査員でもないくせに他人様の犬に言及してくる人もいて、「尻尾がドイツボクサーじゃなくってアメリカンだ」とか、「この犬○○系?」と繁殖数が多いだけで○○(犬舎名)系なんていうラインなんかないというのに、しかも外見も血統も近くはないというのに、いきなり言ってくる人なんかもいるわけです。また、具体的な内容は書きませんが、観に行った審査会ほとんど全てで、他人様の犬を第三者にもよく聞こえるような大きな声で批評しているギャラリーがいました。
(PDの本部展はこの5〜6年観てきましたが、色々な疑問がありましたので、言うだけにはならないよう、確認の為にも実際に出陳もしてみました。詳細は改めて書く予定です。)

PDのボクサーの審査員は数人いますが、趣向というのはそれぞれ審査員ごとに当然あるものですが、趣向ということではなく、例えば咬合でアンダーの度合いといったような明らかな点での基準もバラバラで統一されていませんので、審査内容は誰に当たるかの運次第だといえるのですが、担当審査員が決まるのは前日だかで、一般の出陳者は当日の朝、会場に来て初めて担当審査員が誰だか知ることになります。
4人だか5人位いるPDのボクサーの審査員で、三村さんという方はクラブ主催の審査会で拝見して大変丁寧な審査・説明をされているのに感動したぐらいですが、本部展で品位のないコメントとするエライ審査員や、犬種標準外の毛色の犬を連れている方に対し「それどこの(繁殖した)犬だ」などと関係もないのにつっかかってくる審査員などもいるわけです。

PDで活動されている熱心な方が、インターネットというメディアを最大限に利用して、意図的に門戸を広げ誘導したことにより、ほとんど見向きもされなかったPDのボクサーが、誇張も多いですが価値あるものとされ、誰もが当たり前に繁殖するようになって登録数も増え、審査会への出陳数も増えたという、その活動の熱心さには敬意を払いますが、審査会にしても訓練にしても、勧められるような場が整っていないというのが現状だと思いますし、大方の普通の飼い主というのは審査会は興味もないと思います。
また、審査会が繁殖展というのであれば、特に繁殖するような者ならば、午前中に行われる個体審査こそ、どの犬もよく見るのが当然ですし、特に年に一度の多くの犬が集まる場で、人間もボクサー犬のように堂々と他人様の犬に不躾な視線を浴びせて観察するまたとないチャンスだというのに、毎年、単に比較による席次を決めるだけの午後の比較審査の賑わいとは対照的に、午前中の個体審査を見ている人が少ないというのも、他人の犬もよく見ているのが当たり前のドッグショーとはだいぶ異なる点です。
これだけ急激に繁殖数が増え繁殖する人が激増したというのに、個体審査が終わる頃になると閑散としてしまい、残っているのはオーナーも含めて5人位だったことがあり、あまりに犬を見ていないことにビックリします。
今になって思い返せば、繁殖数が急増したこの2〜3年よりも、繁殖数も出陳数も少なかった2001年が、よく見ている人達が最も多かったです。

PDの審査会でも、関西で観たクラブ主催の単独展では、きちんとアナウンスもあり(しかも上手かった!)、審査員の寸評もマイクを通してなされたり、ドイツの繁殖者のハンドリング講義を盛り込んだ単独展もあり、それらは出陳者に得るものがあるよう工夫されていましたので、そういう場ならば出陳の意味もあるかと思いますが、日本チャンピオン展のように毎年行われている審査会ではなく、極稀な行事だといえます。

あるコミュニティで、興味深いやりとりを目にしました。
ショーに対する日本人の偏見、特殊視といった議論から、ある方は「審査会は繁殖展なのだから色々な犬がいて良いのだと思う」という意見がありました。
この方は積極的にPDで活動されている方で、今日のPDの審査会への出陳数があるのは、彼が意図的に門戸を広げ、誘導したことの結果だといえますが、私が以前、PDの日本チャンピオン展を観た感想として、「犬の質がピンきりだ」という私の感想に対し、「審査会は繁殖展なのだから、質を選別して出陳するドッグショーとは違って、色んな犬が出るものだ」という同じ説明を受けています。

その次のレスは、ドイツSVの状況を説明する内容でしたが、「ヨーロッパでは自分の持っている犬の繁殖価値(VA,V,SGなどの評価)を見極めたりするために出陳する概念がある。繁殖的価値を見極めるために出陳する以上、ある程度期待している犬を出してくるのは当然のことだが、普段はペットとして飼育されている犬でも出陳すれば同じ土俵で審査してもらえる」とのことで、どんな質の犬でも全て出陳するのが推奨されているというわけはないようです。

次はPDの日本チャンピオン展に出陳した方からのレスで、「繁殖に適しているかどうかを知りたくて出陳したのに、時間があっという間でコメントはもらえず、席次もなぜその席次にされたのかの説明もなかった」といった内容で、正直なことを言う面白いレスだと思ったのですが、なぜかこのレスは一日で削除されてました。

つづく 続きはまた改めて
| 固定リンク | ブリーダーより | 2006/06/07 Wed |
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