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Q.留守がちなのですが?
Q.留守がちでも飼えますか?

まず、犬を飼育するということは、子持ちになるのと同様だとお考えください。
特に、仔犬から迎える場合は、幼児の子持ちになるのと同じだとお考えいただければ、労力や経済的な負担、そして起こりうる事柄なども、ご想像いただけるかと思います。

犬というのは、知能が高く、感受性が豊かで、一刻一刻の状態に変化のある生き物です。
他の多くの愛玩動物では、餌を与え適度な運動をさせ掃除さえしていれば、ほぼ健全に飼育出来たりしますが、犬が他の愛玩動物と大きく異なる点は、育てるには教育(躾)が必要なことと、人間の愛情を必要とし、飼主が犬ときちんと向き合って過ごす時間が不可欠だという点です。これが欠如しますと、問題行動を起こして対処出来なくなったり、精神的に不安定となり、不幸な犬にしてしまう結果に繋がります。

留守の間は要は犬を放置していることになりますので、日中のほとんどが留守の家庭では、犬にとっては放置されている時間が1日のほどんどを占めることになります。
そういった環境は、決して犬とって良い環境とはいえませんし、特に仔犬から飼育する場合、不適切な環境だといえます。私は、留守がちなご家庭には、特に仔犬からの飼育はお勧めは出来ません。

しかしながら、飼主の方が充分な覚悟をし、本当に愛犬の為を考え、どんなに忙しく疲れていても愛犬の為の時間を捻出し、また労力を惜しまないのであれば、愛犬との生活も不可能ではなく、留守がちでも良い犬に育てて幸せな生活を送っている方はいます。

犬にとっても飼主にとっても楽しい生活の為に、ほとんどの内容は全ての飼主にもいえることですが、留守がちなご家庭では特に、下記の事柄をご検討いただきたく思います。

・どうしても犬じゃないとダメなのか
もっと手がかからず自立心の強い愛玩動物は他にいます。なるべくなついて知能もある生き物がよいのであれば、室内だけで飼育可能な猫がいますし、ウサギもなつくようです。

・急な病気・怪我に対応出来るか
犬は生き物ですから、急な体調不良や思いがけない怪我もあります。治療は早期発見・早期治療が原則で、遅くなれば犬への負担も大きくなりますし、経済的負担も大きくなります。次の休みまで待つなどということなく、早期のうちに獣医に行けますか。

・世話が必要な状態の場合に対応出来るか
介護が必要な場合、勤務時間などの融通がきくか、あるいは犬の扱いに慣れた代理の方に頼めるでしょうか。
また、どうしても仔犬から迎えたい場合には、可能ならば昼休みに帰宅するか、無理ならば通いのトレーナーやシッターなどに依頼して、日中の世話をしてもらうことも考慮に入れると良いと思います。途中、餌やトイレ等の、様子見程度の世話でも、するのとしないのでは違います。
アメリカでは州によって、また他のいくらかの国では、犬を留守番させてよい最長時間が定められており、それを超えると虐待とみなされ罰せられます。記憶が曖昧で申し訳ありませんが、一番厳しいのはスウェーデンで、6時間程度だったように思います。
日本社会の勤務条件などからすると極端でもありますが、こういった法が定められるということは、やはり長時間の留守というのは、犬にとって決して好ましくはないということでしょう。
犬は、常に飼主が一緒にいてやる必要はなく、ある程度の時間、留守番をさせることは決して悪いことではありませんし、むしろ、現代の人間社会で共に生活していく以上は、ある程度の留守番はわざわざでもさせた方が良いと思いますが、理想的な世話をするには、せいぜい半日程度が限界ではないかと思います。

・毎日必ず愛犬と向かい合う時間を捻出出来るか
朝の出勤前、帰宅後の夕方、どんなに慌しかろうが疲れていようが、愛犬の為の時間を捻出する必要があります。日中放置されている愛犬にとっては、唯一の飼主と過ごす時間です。疲れて帰宅してから就寝までの時間、どれだけ愛犬ときちんと向かい合うことが出来るでしょうか。
飼主が何か他の事をしながら片手間に犬を側に置いておくのではなく、散歩・運動に連れ出す他、躾をしたり遊び相手をしたりして、きちんと向き合って過ごす時間が必要です。
特に仔犬から迎えた場合は、躾がきちんと入った成犬になるまでは、在宅中は大変忙しく慌しくなり、肉体的にも精神的にも休む間がなくなるといって過言ではないと思います。
疲れて帰宅すると、仔犬はオシッコ・ウンチまみれになっているかもしれません。また、仔犬はエネルギーの塊みたいなものですから、遊び相手をしてやらなくてはなりませんが、興奮してかじってきたりもしますし、室内でも思い立ったら粗相をしてしまうかもしれません。
どんなにクタクタに疲れていたとしても、ヒステリーを起こさず、愛情と忍耐力をもって、楽しく遊び相手をしてやり、冷静に躾ていけるでしょうか。仔犬を育てるには愛情の他、非常な根気と忍耐が必要となります。
また、留守がちな場合、犬を見ていられる時間が少ないのですから、躾が進むのもその分遅めになると思いますが、頭にきたり感情的にならず、大らかな愛情をもって冷静に扱い、気長に見守っていけるでしょうか。飼主の精神状態は犬に伝わります。

・留守中の安全対策と環境は万全か
留守中、愛犬が快適に過ごせる安全なスペースを用意する必要があります。
最低でも寝床とトイレスペースは必要で、そう広くなくても動けるスペースがあるのが理想です。
また、ボクサー犬は暑さ・寒さの耐候性に弱く、特に暑さは短吻犬種にとっては大変危険ですので、快適に過ごせるような設備の工夫が必要です。
また、長時間の留守では、犬は退屈していたずらをしますので、安全対策は充分にとるべきで、スペース内からは安全で必要な犬具類以外は全て撤去し、脱走出来ないしないような設備が必要ですし、屋外では外部からのいたずらや不審者からも守る必要があります。

屋内の場合は、サークル等で囲むか、一部屋を与えるかになりますが、一部屋を与える場合でも、サークルでスペースを囲むのが良いと思います。室内には犬にとって危険な物品が多いですから、人間の物に届かないよう、充分に注意してください。暑い時期には、風通しが必要ですし、台風等での停電時のエアコンの停止にも注意が必要です。

屋外で留守番をさせる場合には、相応の犬舎設備が必要になります。スチール犬舎を置いてちょっと囲んでおく程度では、安全で快適とはいえません。
どうしても屋外で管理するのであれば、広さは2坪程度で結構ですので、安全で快適な設備を設けてください。
フェンスは180センチ程度の高さは必要で、それ以下でしたら全面に屋根を張って、飛び出せないようにする必要があります。地面が土ですと、退屈しのぎに穴を掘って脱走してしますので、コンクリートのたたきにするか、それが無理ならばフェンス下は最低でもブロックを2段埋め込んだものにして、フェンスときちんと固定する必要があるでしょう。その辺のホームセンターで売っている製品では、高さが低いですし、たいした耐久性もありませんので、手を加えて一工夫する必要があります。
スペース内は雨を防げるようにし、中は寝床スペースとトイレ・運動スペースを設けます。寒い季節には温度や隙間風対策をし、暑い時期には日差しや風通し等の暑さ対策が必要です。
犬舎を建てる場合、設備等については飼育本で紹介されていたりしますので、詳細はそれらを御参照の上、工夫してください。

・何事にも対処していく覚悟があるか
犬は生き物ですので、良いことばかりではなく、思いもしなかった事態も起こります。
介護が必要な状態になるかもしれませんし、留守中の問題行動で近所に迷惑がかかるようになるかもしれませんし、思うように躾が入らず気苦労ばかりになるかもしれません。
もしそんなことになってしまった場合、飼主として問題に対処していき、飼育責任を務めていく覚悟があるでしょうか。


思うのですが、多くの方は飼育前に、犬に理想を抱いており、いつも元気で飼主のいうことをよく聞く行儀の良い犬、つまり自分にとって都合の良い姿だけを夢見ているようです。
実際に犬を入手し、初めのうちは可愛い可愛いで舞い上がってしまってますが、そのうち、自分の夢見ていた人形のような犬の姿と、現実の生き物である愛犬との違いを感じ、飼主にとって愛犬は”問題犬”になってしまうように感じますし、想定していなかった病気などが明らかになった場合にも、工業製品のように返品や補償を求めたり、飼育を放棄する人がいるようです。
犬というのは、都合が良いばかりの人形やおもちゃなのではなく、感情も知性も伴い一刻一刻の状態に変化のある生き物で、勝手に飼主の理想のように育っていくのではなく、人間の子育て同様、飼主が育てていくものですし、人間同様、ある程度成長しないと見えてこない点も多大にあるのです。
飼主の扱い次第で良い犬にもなりますし、手におえない問題犬にもなります。犬の悪い行動は、その犬が悪いのではなく、悪い行動をさせてしまった飼主が悪いです。
飼主の犬への理解不足から、愛犬を不幸にしてしまわないよう、お願いします。
飼育するのであれば、子の親になるのと同様、大きな懐と愛情をもって飼育し、良いことも悪いことも受け入れ、対処していってください。お願いします。
| 固定リンク | よくある質問 | 2006/04/23 Sun |
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