PDの審査評を読んで:1
このカテゴリの連載は、2006年8月末、PDの会費切れと同時に既に終了しています。
PDの9月の会報が届きました。
日本チャンピオン決定審査会の、審査員が担当したクラスと各犬に対する審査報告が掲載されています。
PDの話題はもう終わりでいいところ、それを読んでまたもや首をひねることになりましたので、書いておきます。
以前も書きましたが、PDの審査会では、ひとつの犬種でも各クラスごとに担当審査員が異なります。
審査結果、即ち席次というのは、各審査員の主観による評価ですので、審査員が違えば結果も異なるのは、私は当然のことだと思っています。
今回、会報を見て驚かされたのは、その内容で、あまりにも審査員によって異なることです。
会報に書かれた各審査員の総評をざっと読んでも、審査員によって随分と違うということは、誰でも容易に気付くと思います。
審査報告がどういうものかというと、担当審査員によって、各犬の審査評が書かれています。
その内容は、全体・頭部・前躯・後躯・四肢などについてで、最後に毛色・咬合(過剰歯がある場合「上切歯何本」といった記載も有)・眼色が書かれています。
ボクサー犬の毛色は茶と縞ですが、その色合いや濃淡には幅があります。血統書の裏面に記載の略号を参照すると、PDではボクサーの毛色は15に分類しています。
会報の審査評を見ると、2人の審査員はそれに則って、各犬の毛色を赤鹿茶とか濃い金色縞といった書き方をしていますが、もう1人の審査員は、茶か縞の2種類だけの記載です。
成犬組は、これら各犬の審査評の他に、そのクラスの総評があります。
成犬牝組では、「事情のわからない見学者の間から順位に対する疑問の声がかなりあったと聞き及んでおります。」との記載がありました。
事情のわからない見学者(?)が、どこでどう疑問の声を発していて、また、それがどういう過程を経てなのだか、どうやら直接の質問という形ではなく担当審査員に届くというのも、どういう団体でどういう組織なんかなぁと思いましたが、まあ、とにかく、審査結果に対してかなり疑問の声があったということのようです。
その成犬牝組の順位位置付けの一部解説として、審査会当日に行われる服従訓練審査(紐無し脚側行進です。)にふれ、「会報にてご案内のとおり、服従訓練で60点以下の得点犬の場合は、席次を1ランク下げて順位を決定」したと書かれていました。
同様に、体高についても、成犬全犬に対しサイズをチェックしたが、牝ではオーバーサイズの犬はいなかったと書かれています。
この総評によると、成犬牝組では約40%がランクを落とされた、と書かれています。
つまり、成犬牝組の40%の、外見上は良く出来た犬がランクを落とされた、ということですが、成犬牝組の出陳は11頭でした。
そのうちの約40%といえば4頭に相当しますので、11頭のうちの4頭が、服従訓練審査不合格が理由でランクを落とされた、ということなのだと思います。
そこで、私は非常に不可解に思ったのですが、今年の成犬牝組の審査結果は、最上位のチャンピオンが1頭、それに準ずるというチャンピオン・グループの犬が4頭、その次のランクであるリザーブ・チャンピオンが6頭で、全てV評価です。
約40%に相当する4頭が、服従訓練審査不合格を理由にランクを落とされた、というのであれば、もし、この約40%の犬が服従審査が不合格ではなかったとしたら、チャンピオン・グループの犬の数は4頭ではなく8頭だった、ということなのでしょうか?
つまり、チャンピオン1頭、チャンピオン・グループ8頭、リザーブ・チャンピオン2頭、という審査結果となっていた、ということなのでしょうか?
このランクを落とすという規定に関して、会報によると、「服従訓練審査において100点満点で60点以下の得点犬の場合は、席次を一ランク下げます」と記載されています。
これはどういういう事かというと、きちんと審査員に確認してからその内容を説明してもらったことがありますが、服従訓練審査に不合格の場合、並び順という実質の席次をひとつ下げるということなのではなく、チャンピオン・グループ格の犬はその下のリザーブチャンピオンに、リザーブチャンピオンの犬はその下のVグループにといったように、評価を下げられる、ランクを下げられる、ということなのだそうです。
ですから、先の、約40%に該当する4頭の犬が服従訓練審査に合格していた場合は、仮に1頭がチャンピオン格だったとしても、11頭中最低でも7頭の犬がチャンピオン・グループの評価ということになるというのは、間違いではないと思いますが、果たしてそんな結果になるのでしょうか?
私が総評を読んで不可解だったのは、順位への疑問の声に対して、わざわざ会報という場を使用して釈明するのであれば、きちんとその席次の根拠を示した解説をするべきだと、私はそう思ったのですが、各犬の審査評には服従訓練審査に不合格だったとは、一切記載されていません。席次の根拠は不明瞭なままです。
それに対し、別の審査員による成犬牡組の審査報告では、総評で「見ている方にとって席次の根拠がわかりにくかったようです。」と、その根拠として、服従訓練審査の不合格やオーバーサイズについて触れているのは、成犬牝組の総評と同様ですが、大きく異なるのは、服従訓練審査が不合格だったりオーバーサイズだった犬には、各犬の審査評できちんと記載している点で、これならば見学者にはわかりにくい根拠がわかりやすく、公明正大な審査報告だと思いましたし、こうするのが当然だと思いました。
また、「来年度からはわかりやすい審査方法の検討を感じています。」とも書かれていて、PDにはこのような理に適った発想をされる方がきちんといるというのに、なぜこんな不条理な団体なのか、摩訶不思議なところです。
審査評を読んでPDらしいな、と思ったのは、日本一(?)の犬を決定するという日本チャンピオン決定審査会に出すような犬が今更、審査評で管理の問題から生じる骨格の狂いやコンディション(状態)といった次元の話をされている点です。
PDのボクサー犬というのは、管理によって骨格に狂いのある犬が非常に多く、かなりの割合で後肢が狂っていますし、肘が開いて歩様にもバカバカと影響している犬も結構いるのですが、当たり前に上位入賞しますし、握りも甘かったりします。ヨーロッパのボクサー犬と違って背線がガタガタなのは、管理によるものではなく、もともとの狂いだと思います。
年に一度しかない血統書に記載される正式なタイトルが付与される大きな審査会だというのに、犬の状態を整えたりもしないようで、毎年、庭先にいたのをそのまま連れてこられたような犬が多いです。骨格の狂いにシビアで、狂わせないように育て、また、犬の状態も整えて出陳するドッグショーや他団体の展覧会とは、大きく異なる点です。
今更、そんな次元の話を審査評でされているというのは、改めて、すごい世界だと思いました。
とはいえ、そういった指摘をするということは、審査員も犬の状態が悪いとか、骨格が狂うような下手な管理というのは認識しているわけで、そのような方々がいるというのに、なぜ毎年毎年変わらないのか、不思議です。
成犬牝組の総評は不明瞭だと、私には感じられましたが、「相変わらずマナーの悪い問題犬が若干数見られた」と書かれていたのには、感銘を受けました。
PDの人達はそういう自覚がないというか、マナーとかいう概念はないように見えますし、犬を表現させるということも、コントロール下で表現させるというのではなく、ただ犬を好き勝手にさせておくといった都合のよい解釈をしているようですが、ヨーロッパのボクサー犬の審査会においても、ハンドラーは素人のオーナーなのだそうですが、犬をきちんとコントロールし、ちゃんとハンドリングしています。PDのそれとはかなり違います。
PDの審査会を普通の常識的な感覚の人が見れば、犬のマナーが悪いと感じるのは当たり前の事で、少しでも躾をして犬を飼育していたような人がPDの審査会を観に行くと、「あんな犬種なのではボクサーは飼えない」と言う人が多い位、マナーが悪く扱えていない犬が多いのですが、PD内部からのそのような公な声を聞くことはありませんでした。
PDの皆さんの感覚は特殊なのかと思っていましたが、さすがはエライ審査員の先生だけあって、そんなことは当然、認識されてらっしゃいました。
PDの方から「マナー」なんて言葉を聞いたのは、初めてです。感動しました。
さて、審査評を読んで、種犬認定への疑問は、さらに強くなりました。次回に書きます。
PDの9月の会報が届きました。
日本チャンピオン決定審査会の、審査員が担当したクラスと各犬に対する審査報告が掲載されています。
PDの話題はもう終わりでいいところ、それを読んでまたもや首をひねることになりましたので、書いておきます。
以前も書きましたが、PDの審査会では、ひとつの犬種でも各クラスごとに担当審査員が異なります。
審査結果、即ち席次というのは、各審査員の主観による評価ですので、審査員が違えば結果も異なるのは、私は当然のことだと思っています。
今回、会報を見て驚かされたのは、その内容で、あまりにも審査員によって異なることです。
会報に書かれた各審査員の総評をざっと読んでも、審査員によって随分と違うということは、誰でも容易に気付くと思います。
審査報告がどういうものかというと、担当審査員によって、各犬の審査評が書かれています。
その内容は、全体・頭部・前躯・後躯・四肢などについてで、最後に毛色・咬合(過剰歯がある場合「上切歯何本」といった記載も有)・眼色が書かれています。
ボクサー犬の毛色は茶と縞ですが、その色合いや濃淡には幅があります。血統書の裏面に記載の略号を参照すると、PDではボクサーの毛色は15に分類しています。
会報の審査評を見ると、2人の審査員はそれに則って、各犬の毛色を赤鹿茶とか濃い金色縞といった書き方をしていますが、もう1人の審査員は、茶か縞の2種類だけの記載です。
成犬組は、これら各犬の審査評の他に、そのクラスの総評があります。
成犬牝組では、「事情のわからない見学者の間から順位に対する疑問の声がかなりあったと聞き及んでおります。」との記載がありました。
事情のわからない見学者(?)が、どこでどう疑問の声を発していて、また、それがどういう過程を経てなのだか、どうやら直接の質問という形ではなく担当審査員に届くというのも、どういう団体でどういう組織なんかなぁと思いましたが、まあ、とにかく、審査結果に対してかなり疑問の声があったということのようです。
その成犬牝組の順位位置付けの一部解説として、審査会当日に行われる服従訓練審査(紐無し脚側行進です。)にふれ、「会報にてご案内のとおり、服従訓練で60点以下の得点犬の場合は、席次を1ランク下げて順位を決定」したと書かれていました。
同様に、体高についても、成犬全犬に対しサイズをチェックしたが、牝ではオーバーサイズの犬はいなかったと書かれています。
この総評によると、成犬牝組では約40%がランクを落とされた、と書かれています。
つまり、成犬牝組の40%の、外見上は良く出来た犬がランクを落とされた、ということですが、成犬牝組の出陳は11頭でした。
そのうちの約40%といえば4頭に相当しますので、11頭のうちの4頭が、服従訓練審査不合格が理由でランクを落とされた、ということなのだと思います。
そこで、私は非常に不可解に思ったのですが、今年の成犬牝組の審査結果は、最上位のチャンピオンが1頭、それに準ずるというチャンピオン・グループの犬が4頭、その次のランクであるリザーブ・チャンピオンが6頭で、全てV評価です。
約40%に相当する4頭が、服従訓練審査不合格を理由にランクを落とされた、というのであれば、もし、この約40%の犬が服従審査が不合格ではなかったとしたら、チャンピオン・グループの犬の数は4頭ではなく8頭だった、ということなのでしょうか?
つまり、チャンピオン1頭、チャンピオン・グループ8頭、リザーブ・チャンピオン2頭、という審査結果となっていた、ということなのでしょうか?
このランクを落とすという規定に関して、会報によると、「服従訓練審査において100点満点で60点以下の得点犬の場合は、席次を一ランク下げます」と記載されています。
これはどういういう事かというと、きちんと審査員に確認してからその内容を説明してもらったことがありますが、服従訓練審査に不合格の場合、並び順という実質の席次をひとつ下げるということなのではなく、チャンピオン・グループ格の犬はその下のリザーブチャンピオンに、リザーブチャンピオンの犬はその下のVグループにといったように、評価を下げられる、ランクを下げられる、ということなのだそうです。
ですから、先の、約40%に該当する4頭の犬が服従訓練審査に合格していた場合は、仮に1頭がチャンピオン格だったとしても、11頭中最低でも7頭の犬がチャンピオン・グループの評価ということになるというのは、間違いではないと思いますが、果たしてそんな結果になるのでしょうか?
私が総評を読んで不可解だったのは、順位への疑問の声に対して、わざわざ会報という場を使用して釈明するのであれば、きちんとその席次の根拠を示した解説をするべきだと、私はそう思ったのですが、各犬の審査評には服従訓練審査に不合格だったとは、一切記載されていません。席次の根拠は不明瞭なままです。
それに対し、別の審査員による成犬牡組の審査報告では、総評で「見ている方にとって席次の根拠がわかりにくかったようです。」と、その根拠として、服従訓練審査の不合格やオーバーサイズについて触れているのは、成犬牝組の総評と同様ですが、大きく異なるのは、服従訓練審査が不合格だったりオーバーサイズだった犬には、各犬の審査評できちんと記載している点で、これならば見学者にはわかりにくい根拠がわかりやすく、公明正大な審査報告だと思いましたし、こうするのが当然だと思いました。
また、「来年度からはわかりやすい審査方法の検討を感じています。」とも書かれていて、PDにはこのような理に適った発想をされる方がきちんといるというのに、なぜこんな不条理な団体なのか、摩訶不思議なところです。
審査評を読んでPDらしいな、と思ったのは、日本一(?)の犬を決定するという日本チャンピオン決定審査会に出すような犬が今更、審査評で管理の問題から生じる骨格の狂いやコンディション(状態)といった次元の話をされている点です。
PDのボクサー犬というのは、管理によって骨格に狂いのある犬が非常に多く、かなりの割合で後肢が狂っていますし、肘が開いて歩様にもバカバカと影響している犬も結構いるのですが、当たり前に上位入賞しますし、握りも甘かったりします。ヨーロッパのボクサー犬と違って背線がガタガタなのは、管理によるものではなく、もともとの狂いだと思います。
年に一度しかない血統書に記載される正式なタイトルが付与される大きな審査会だというのに、犬の状態を整えたりもしないようで、毎年、庭先にいたのをそのまま連れてこられたような犬が多いです。骨格の狂いにシビアで、狂わせないように育て、また、犬の状態も整えて出陳するドッグショーや他団体の展覧会とは、大きく異なる点です。
今更、そんな次元の話を審査評でされているというのは、改めて、すごい世界だと思いました。
とはいえ、そういった指摘をするということは、審査員も犬の状態が悪いとか、骨格が狂うような下手な管理というのは認識しているわけで、そのような方々がいるというのに、なぜ毎年毎年変わらないのか、不思議です。
成犬牝組の総評は不明瞭だと、私には感じられましたが、「相変わらずマナーの悪い問題犬が若干数見られた」と書かれていたのには、感銘を受けました。
PDの人達はそういう自覚がないというか、マナーとかいう概念はないように見えますし、犬を表現させるということも、コントロール下で表現させるというのではなく、ただ犬を好き勝手にさせておくといった都合のよい解釈をしているようですが、ヨーロッパのボクサー犬の審査会においても、ハンドラーは素人のオーナーなのだそうですが、犬をきちんとコントロールし、ちゃんとハンドリングしています。PDのそれとはかなり違います。
PDの審査会を普通の常識的な感覚の人が見れば、犬のマナーが悪いと感じるのは当たり前の事で、少しでも躾をして犬を飼育していたような人がPDの審査会を観に行くと、「あんな犬種なのではボクサーは飼えない」と言う人が多い位、マナーが悪く扱えていない犬が多いのですが、PD内部からのそのような公な声を聞くことはありませんでした。
PDの皆さんの感覚は特殊なのかと思っていましたが、さすがはエライ審査員の先生だけあって、そんなことは当然、認識されてらっしゃいました。
PDの方から「マナー」なんて言葉を聞いたのは、初めてです。感動しました。
さて、審査評を読んで、種犬認定への疑問は、さらに強くなりました。次回に書きます。
| 固定リンク | PDに関わって思ったこと | 2006/08/26 Sat |






