柄について 犬種の歴史
毛色や柄について、御希望をいただくことがよくありますので、ご説明させていただきたく思います。
ボクサーの毛色について充分にご理解いただく為には、ボクサーの歴史・その毛色のルーツを先にお話する必要があるのですが、資料を整理し改めてページを作成するつもりですので、かなり要約してお話します。
ボクサーの直接の祖先は、現在のベルギー北東地域ブラバントの土着犬である小型ブレンバイザーであるというのが、今日では一般的に受け入れられている説です。
この小型ブレンバイザーは、交雑によってではなく、もっと大型のブレンバイザーが自然淘汰により小型化された一群で、狩猟用としての優れた能力が高く評価され繁殖されるようになりましたが、1830年以前の文献や絵の資料では、全てのブレンバイザーはブラックマスクのフォーンかブリンドルだったことを示しており、白い毛色を示唆するものは皆無だそうです。
イギリスでは、同じ用途目的でイングリッシュ・ブルドッグが繁殖されており、これは現在のブルドッグのような特徴ではなく、ブラバンター・ブレンバイザーと良く似た体型で、毛色は白か、白いマーキングのある犬でした。
このイングリッシュ・ブルドッグが大陸に流入し、小型ブレンバイザーと交雑されたことにより、その中に白い毛色が現れるようになったわけです。
これらの犬から後にボクサーという犬種が確立されるわけですが、現在の犬種標準では、ボクサーの毛色はブリンドル(縞)とフォーン(茶)の2種類が定められており、白い毛色は全体の1/3までに制限されて「あってもよい」という扱いとなっています。
白い毛色は、口吻や目と目の間、胸や腹、足先、そして首周りに入る場合がありますが、これらの白い毛色の部分のことはホワイトマーキングと呼ばれ、「マーキング」というように、決して地の毛色なのではなく、あくまでも地の毛色に対し部分的に制限されて入る場合のある毛色です。
もう一度書きますが、白い毛色の部分というのは、犬種標準で定められた地の毛色ではありませんし、必須とされている柄でもないのです。
ハウンド・カラーのビーグル犬には背中にハウンドマークと呼ばれる黒い毛色の部分が必ずありますが、これは必須とされている柄です。
ところが、ボクサーのホワイト・マーキングというのは別の性質のもので、たとえ両親にホワイトマーキングがあったとしても子にもあるとは限らず、親のマーキングの有無と子のマーキングの有無は等しいという性質のものではないのです。
ボクサーの地の毛色、ブリンドルとフォーンでは、ブリンドルが優勢だという法則は、はっきりと判っています。
両方あるいは一方の親がフォーン因子を持たない場合、子はブリンドルしか生まれませんし、両親の表現されている毛色がブリンドルであっても、共にフォーン因子を持っていれば、子はブリンドルとフォーンの両方が生まれる可能性がありますし、両親がフォーンの場合では子はフォーンしか生まれない、といったように、子の毛色の可能性は、初歩的な遺伝の決まり、メンデルの法則によって容易に予測がつくものなのです。
ところが、ホワイトマーキングに関しては、単純な遺伝の法則は当てはまらず、生まれてみなければわからないという性質のもので、同じ胎の犬でも各個体で異なりますし、同じ掛け合わせの両親であっても、結果は時々で異なるという性質のものなのです。
さて、アメリカでも以前はホワイトマーキングの入った派手な柄、フラッシー(Flashy)といわれる犬がもてはやされた時代があり、ドッグ・ショーにおいても、プレーン(Plane)と呼ばれるホワイトマーキングのない地味な柄のボクサーは、犬質が良くても相応の公平な評価は望めない時代がありました。
しかし、後にブリーダーや愛好家等の間で論議されることとなり、現在ではマーキングの有無に関わらず評価を得られるようになっており、ドッグショーではたくさんのプレーンの犬達が活躍しています。
日本でも、その流れを受けて、以前に比べるとかなり地味な柄の犬達もドッグショーに出陳されるようになってきました。
ショーをやっていてアメリカの流れを御存知の方は、柄にはほとんど頓着しなくなってきていると思います。
(2006年1月追記:愛好家達により、質の高い犬は、柄に関わらず、ドッグショーに出陳されており、実際に高い評価を得ています。現在、単独展でチャンピオン・クラスの犬達を御覧頂くと、随分と地味な印象を受けるのではないかと思います。)
しかしながら、未だ派手な柄にこだわっている方もいますし、特に一般の飼主の方は、派手な柄の仔犬を御希望されることがほとんどですし、それが理由で派手な柄の仔犬が生まれてくることを願う方もいます。
ホワイトマーキングは実際、とても魅力的な場合も多いですし、人によって柄の好みはあると思いますので、それは各個人の嗜好であって自由なことだと思います。
ただ、私が知っていただきたいと願うのは、ボクサーのホワイトマーキングは必須なのではないということと、多くの方が漠然と欲しがるようなホワイトマーキングの入った派手な柄の仔犬ばかりが生まれるわけではないということです。
特に一般の方では、首周りの白(カラーと呼びます)も希望される方が多くいらっしゃいます。
これは贅沢な希望だともいえて、首周りを白がぐるりと一周しているようなフル・カラーの仔犬というのは、そう多く生まれてくるわけではなく、多くは半周程度だったり、一部だったり、全くなかったりというのが実際のところです。
私は、先にも申しましたように、各個人の好みというのは当然あるものだと理解していますが、家庭犬を迎えるにあたり柄重視で選ぶのはナンセンスだと感じており、大変残念に思うことがあります。
おそらく、犬の本質というものをよく御存知の他のショー・ブリーダーの方も、私と同じように残念に思われることは、少なくないだろうと想像します。
柄ではなく、吟味された個体から繁殖されたボクサーの本質を見ていただきたいと、私は思うのです。
ボクサーは単なる見てくれの犬種ではなく、知性溢れる内面の素晴らしい犬種ですので、どんな柄のボクサーを迎えたとしても、仮にはじめは柄にこだわりがあったとしても、すぐにそんなことなど忘れてしまうはずです。
それほどに、ボクサーというのは、愛すべき魅力ある犬種です。
私の犬達は、ブレーズの入った犬が多いですが、入っていてもかなり細い犬も多いですし、全く入っていない真っ黒い顔をした犬も所有しており、大変好んでいます。
また、当犬舎の犬達は、首周りのカラーは入っていない犬がほとんどです。入っている犬もいます。入っているように見えて、一部だけの犬もいます。カラーに関して、私は全くこだわりがありません。
意識してフルカラーの仔犬を出そうとは致しておりませんので、そういった御要望にはお応え出来かねる場合がほとんどだと思います。意識しても、きっと無理です。
ホワイトマーキングばかりにこだわらないていただきたい、そう願うのです。
2006年1月追記:「ブレーズが入っていて、マズルも左右対称に白くて、首周りも白が一周しているフルカラーがいい」という、いつの時代の話かと思うようなご要望を、現在でもいただくことがありますが、ここでご説明のように、当犬舎はホワイトマーキングは重視しておりませんので、偶然そういうのも生まれてくるかもしれませんが、あくまでも偶発的に叶うご要望だと思ってください。
当犬舎は、フォーンの色合い(濃さ)や、ブリンドルならば、まだらではなくはっきりとした縞であるべきといったような、各毛色にスタンダードで求められている事柄は重視していますが、必須ではないマーキングは重視しておりませんし、たいして関心もありません。
ボクサーは、ぬいぐるみのような愛玩犬種ではなく、知性溢れる人と接する中での魅力のある犬種ですので、柄よりももっと重視するべき点があることは、知っていただきたく思います。
ボクサーの毛色について充分にご理解いただく為には、ボクサーの歴史・その毛色のルーツを先にお話する必要があるのですが、資料を整理し改めてページを作成するつもりですので、かなり要約してお話します。
ボクサーの直接の祖先は、現在のベルギー北東地域ブラバントの土着犬である小型ブレンバイザーであるというのが、今日では一般的に受け入れられている説です。
この小型ブレンバイザーは、交雑によってではなく、もっと大型のブレンバイザーが自然淘汰により小型化された一群で、狩猟用としての優れた能力が高く評価され繁殖されるようになりましたが、1830年以前の文献や絵の資料では、全てのブレンバイザーはブラックマスクのフォーンかブリンドルだったことを示しており、白い毛色を示唆するものは皆無だそうです。
イギリスでは、同じ用途目的でイングリッシュ・ブルドッグが繁殖されており、これは現在のブルドッグのような特徴ではなく、ブラバンター・ブレンバイザーと良く似た体型で、毛色は白か、白いマーキングのある犬でした。
このイングリッシュ・ブルドッグが大陸に流入し、小型ブレンバイザーと交雑されたことにより、その中に白い毛色が現れるようになったわけです。
これらの犬から後にボクサーという犬種が確立されるわけですが、現在の犬種標準では、ボクサーの毛色はブリンドル(縞)とフォーン(茶)の2種類が定められており、白い毛色は全体の1/3までに制限されて「あってもよい」という扱いとなっています。
白い毛色は、口吻や目と目の間、胸や腹、足先、そして首周りに入る場合がありますが、これらの白い毛色の部分のことはホワイトマーキングと呼ばれ、「マーキング」というように、決して地の毛色なのではなく、あくまでも地の毛色に対し部分的に制限されて入る場合のある毛色です。
もう一度書きますが、白い毛色の部分というのは、犬種標準で定められた地の毛色ではありませんし、必須とされている柄でもないのです。
ハウンド・カラーのビーグル犬には背中にハウンドマークと呼ばれる黒い毛色の部分が必ずありますが、これは必須とされている柄です。
ところが、ボクサーのホワイト・マーキングというのは別の性質のもので、たとえ両親にホワイトマーキングがあったとしても子にもあるとは限らず、親のマーキングの有無と子のマーキングの有無は等しいという性質のものではないのです。
ボクサーの地の毛色、ブリンドルとフォーンでは、ブリンドルが優勢だという法則は、はっきりと判っています。
両方あるいは一方の親がフォーン因子を持たない場合、子はブリンドルしか生まれませんし、両親の表現されている毛色がブリンドルであっても、共にフォーン因子を持っていれば、子はブリンドルとフォーンの両方が生まれる可能性がありますし、両親がフォーンの場合では子はフォーンしか生まれない、といったように、子の毛色の可能性は、初歩的な遺伝の決まり、メンデルの法則によって容易に予測がつくものなのです。
ところが、ホワイトマーキングに関しては、単純な遺伝の法則は当てはまらず、生まれてみなければわからないという性質のもので、同じ胎の犬でも各個体で異なりますし、同じ掛け合わせの両親であっても、結果は時々で異なるという性質のものなのです。
さて、アメリカでも以前はホワイトマーキングの入った派手な柄、フラッシー(Flashy)といわれる犬がもてはやされた時代があり、ドッグ・ショーにおいても、プレーン(Plane)と呼ばれるホワイトマーキングのない地味な柄のボクサーは、犬質が良くても相応の公平な評価は望めない時代がありました。
しかし、後にブリーダーや愛好家等の間で論議されることとなり、現在ではマーキングの有無に関わらず評価を得られるようになっており、ドッグショーではたくさんのプレーンの犬達が活躍しています。
日本でも、その流れを受けて、以前に比べるとかなり地味な柄の犬達もドッグショーに出陳されるようになってきました。
ショーをやっていてアメリカの流れを御存知の方は、柄にはほとんど頓着しなくなってきていると思います。
(2006年1月追記:愛好家達により、質の高い犬は、柄に関わらず、ドッグショーに出陳されており、実際に高い評価を得ています。現在、単独展でチャンピオン・クラスの犬達を御覧頂くと、随分と地味な印象を受けるのではないかと思います。)
しかしながら、未だ派手な柄にこだわっている方もいますし、特に一般の飼主の方は、派手な柄の仔犬を御希望されることがほとんどですし、それが理由で派手な柄の仔犬が生まれてくることを願う方もいます。
ホワイトマーキングは実際、とても魅力的な場合も多いですし、人によって柄の好みはあると思いますので、それは各個人の嗜好であって自由なことだと思います。
ただ、私が知っていただきたいと願うのは、ボクサーのホワイトマーキングは必須なのではないということと、多くの方が漠然と欲しがるようなホワイトマーキングの入った派手な柄の仔犬ばかりが生まれるわけではないということです。
特に一般の方では、首周りの白(カラーと呼びます)も希望される方が多くいらっしゃいます。
これは贅沢な希望だともいえて、首周りを白がぐるりと一周しているようなフル・カラーの仔犬というのは、そう多く生まれてくるわけではなく、多くは半周程度だったり、一部だったり、全くなかったりというのが実際のところです。
私は、先にも申しましたように、各個人の好みというのは当然あるものだと理解していますが、家庭犬を迎えるにあたり柄重視で選ぶのはナンセンスだと感じており、大変残念に思うことがあります。
おそらく、犬の本質というものをよく御存知の他のショー・ブリーダーの方も、私と同じように残念に思われることは、少なくないだろうと想像します。
柄ではなく、吟味された個体から繁殖されたボクサーの本質を見ていただきたいと、私は思うのです。
ボクサーは単なる見てくれの犬種ではなく、知性溢れる内面の素晴らしい犬種ですので、どんな柄のボクサーを迎えたとしても、仮にはじめは柄にこだわりがあったとしても、すぐにそんなことなど忘れてしまうはずです。
それほどに、ボクサーというのは、愛すべき魅力ある犬種です。
私の犬達は、ブレーズの入った犬が多いですが、入っていてもかなり細い犬も多いですし、全く入っていない真っ黒い顔をした犬も所有しており、大変好んでいます。
また、当犬舎の犬達は、首周りのカラーは入っていない犬がほとんどです。入っている犬もいます。入っているように見えて、一部だけの犬もいます。カラーに関して、私は全くこだわりがありません。
意識してフルカラーの仔犬を出そうとは致しておりませんので、そういった御要望にはお応え出来かねる場合がほとんどだと思います。意識しても、きっと無理です。
ホワイトマーキングばかりにこだわらないていただきたい、そう願うのです。
2006年1月追記:「ブレーズが入っていて、マズルも左右対称に白くて、首周りも白が一周しているフルカラーがいい」という、いつの時代の話かと思うようなご要望を、現在でもいただくことがありますが、ここでご説明のように、当犬舎はホワイトマーキングは重視しておりませんので、偶然そういうのも生まれてくるかもしれませんが、あくまでも偶発的に叶うご要望だと思ってください。
当犬舎は、フォーンの色合い(濃さ)や、ブリンドルならば、まだらではなくはっきりとした縞であるべきといったような、各毛色にスタンダードで求められている事柄は重視していますが、必須ではないマーキングは重視しておりませんし、たいして関心もありません。
ボクサーは、ぬいぐるみのような愛玩犬種ではなく、知性溢れる人と接する中での魅力のある犬種ですので、柄よりももっと重視するべき点があることは、知っていただきたく思います。






